【活動レポート】熊本県宇城市でのJMAT災害支援活動を通して得た気づきと学び
福岡県医師会JMATの一員として熊本県宇城市の被災地支援活動に参加。現場で感じた利他の心、チーム連携、心理的安全性、DXの可能性について振り返ります。

令和8年8月11日から14日までの4日間、福岡県医師会のJMAT(日本医師会災害医療チーム)の一員として、熊本県宇城市の被災地支援活動に参加いたしました。
私自身、被災地での支援活動は今回が初めての経験でした。初日は右も左も分からず不安もありましたが、チームリーダーの江﨑先生(神原クリニック)、木村さん(神原クリニック)、大島社長(訪問看護ステーション ぽっぽスマイル)をはじめとする素晴らしいメンバーと協力し、無事に任務を遂行することができました。
神原クリニック https://www.kanbara-clinic.or.jp
訪問看護ステーション ぽっぽスマイル https://map.yahoo.co.jp/v3/place/9yC8egxSrZM
1. 現場を支える「利他の心」と多様なチームとの連携
現場では、私たちJMATだけでなく、DMAT(災害派遣医療チーム)、日本赤十字社(日赤)、DPAT(災害派遣精神医療チーム)、災害コーディネーターなど、多くの医療・福祉関係者が活動していました。
立場や組織は異なっても、全員が「被災された方々のために」という強い利他の気持ちで動いており、私自身も多くの場面で助けていただきました。現地で出会った多くの方々に、心より感謝申し上げます。
2. 災害現場での業務の本質と、日頃の経験のつながり
実際に行っていた業務の基本サイクルは、以下の通りです。
- その日の課題を発見する
- チームで議論し、解決策を実行する
- 翌日の課題を発見・整理する

文字に起こすと日頃の業務と変わりないように思えますが、過酷な環境と緊迫した時間の中で、ミスが許されない判断を連続して下していく現場は、非常に大きな刺激と緊張感に満ちていました。
震災直後は膨大な情報が錯綜します。「その情報源は確かか」「確定した事実なのか」を見極めつつ、被災された方々の気持ちを最優先に迅速な対応を行うことが求められました。
この活動を振り返ると、病院勤務時代に培った緊急対応力と、訪問看護ステーションで磨いてきたコミュニケーション力の両方が、現場で大いに活かされたと感じています。
3. 「思い込み」を疑う姿勢と心理的安全性の重要性
今回の支援活動の中で、特に心に深く残っている学びがあります。
コーディネーターの宮前さんから「支援が行き届いていない場所に漏れがないか、もう一度調べ直そう」と指導を受けた際、私は一瞬「すでに一度確認したから大丈夫ではないか」と返答しそうになりました。
しかし、気持ちを切り替えて改めて丁寧に調査し直したところ、実は見落とされていたエリアや課題がいくつも見つかったのです。
もしあのまま自分の思い込みで確認を怠っていたら、多くの被災された方々にご迷惑をおかけするところでした。自分の判断や「もう確認済みだ」という思い込みを素直に疑い、少しでも疑問に思ったことを放置しない大切さを身をもって学びました。
また、誰もが遠慮なく意見を言い合え、互いの指摘を素直に受け入れられる「心理的安全性の高さ」があってこそ、確実で的確な仕事ができるのだと実感しました。このような張り詰めた中にも温かさのある現場で活動できたことに感謝しています。
4. 支援現場におけるテクノロジー(DX)の可能性
被災地では通信環境が不安定な場面もあり、すべてをデジタル化することは困難です。しかし、テクノロジーを適切に活用することで、現場の業務環境が格段に整うことを実感しました。
今回の活動ではGoogleをベースにした情報共有が行われており、普段使い慣れているツールだったため、業務を非常にスムーズに進めることができました。地域の医療機関や関係機関が平時からこうした共通のデジタル基盤を活用していれば、有事の際にもさらに迅速で円滑な情報共有が可能になると感じています。
5. 今後の復興支援と私たちにできること
被災地の復興はまだまだ続きます。政府においても総額242億円(高速道路などのインフラ復旧に206億円、水や食料などの救援物資に24億円、応急仮設住宅の整備に12億円など)の予備費支出が閣議決定されていますが、現場への継続的な支援が必要です。
また、熊本市内をはじめ多くの地域では、飲食店や商業施設が通常通り営業しています。被災地を応援するひとつの方法として、ぜひ現地を訪れ、美味しい食事を楽しんだり観光をしていただくことも大きな支援になります。
個人的なおすすめは、美味しい料理が楽しめる『炭焼き おはこ』です。https://map.yahoo.co.jp/v3/place/3KeJCS9m2rg
熊本に行かれる際は、ぜひ立ち寄ってみてください。これからも自分にできる形で、復興に向けた支援を継続してまいります。
