DXの成功は「数字」だけで測れるか?〜訪問看護の現場を変えた、プーラビダ流・3つの達成度指標〜
- プーラビダ
- 3 日前
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「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉を、最近あちこちで耳にするようになりました。 便利なツールを導入し、効率化を進める。それはもちろん大切なことですが、私たちプーラビダ株式会社にとって、DXは単なる効率化の道具ではありません。
私たちの社名「プーラビダ」は、スペイン語で理念にもなっています。 私たちの理念は、「プーラビダメンバーを含めた、すべての方に100%の生き方を」というものです。
この理念を、忙しい現場でどう守り抜くか。その挑戦の過程で見えてきた、私たちの「DXの達成度」を測る3つの指標についてお話ししたいと思います。
1. 「時間」の指標:AIと協働し、ケアの時間を取り戻す
訪問看護の現場で最もスタッフの負担になっていたのは、訪問後の「報告書作成」でした。
私たちはGoogle Workspaceを基盤とした自社ポータル「ほぽたくん」を構築し、さらに生成AI(Gemini)を実務に組み込みました。その結果、驚くべき変化が起きました。
報告書作成時間:1時間 → わずか5分(90%削減)
1日の訪問件数:2〜3件 → 無理なく6〜7件へ
ここで私たちが重視している指標は、削減された時間そのものではありません。「空いた時間で、どれだけ利用者様と深く向き合えたか」「どれだけスタッフが余裕を持って笑えるようになったか」。 デジタルに任せられることはデジタルに任せ、人間は人間にしかできない「心を通わせるケア」に集中する。これが私たちの第一の達成基準です。
2. 「人」の指標:離職率1.5%が証明する、心理的安全性
どんなに優れたシステムも、現場のスタッフが使いこなせなければ意味がありません。 プーラビダが掲げているのは、「誰一人取り残さないDX」です。
ITに苦手意識があるスタッフがいれば、徹底的に伴走し、使いやすさを追求しました。その結果、業界の常識を覆す数字が表れました。
離職率の変化:17.5% → 1.5%
人手不足が深刻な介護・看護業界において、私たちの離職率はわずか1.5%にとどまっています。これはスタッフが「デジタル化によって仕事が楽になった」と感じるだけでなく、「ここで働き続けたい」と心から思ってくれている何よりの証拠だと自負しています。デジタルは人を切り捨てるものではなく、支え合うための温かな土台なのです。
3. 「経営」の指標:持続可能なサービスを届けるための責任
最後に、会社としての「持続可能性」です。 どれほど理想を掲げても、経営が健全でなければサービスを続けることはできません。
営業利益の推移:赤字 → 黒字(V字回復)
DXによる生産性の向上が、そのまま会社の財務体質の改善につながりました。 利益は、メンバーへの還元や、さらなるサービス向上、そして地域の皆様への貢献のための「ガソリン」です。経営が安定することで、私たちはより長期的な視点で「100%の生き方」をサポートできるようになりました。
究極の指標は「プーラビダ(純粋な人生)」を歩めているか
数字はあくまで指標です。 私たちの挑戦はまだ始まったばかりですが、大切にしているのは「そのデジタルの先に、人の笑顔があるか」という一点です。
もし、同じように現場の負担に悩む経営者の方がいれば、伝えたいことがあります。「ITに詳しくないから」と諦める必要はありません。身近なツールと、少しの工夫、そして何より「スタッフを幸せにしたい」という想いがあれば、現場は必ず変わります。
これからもプーラビダは、テクノロジーの力を借りながら、人間味あふれる温かなケアを追求し続けます。
プーラビダメンバーを含めた、すべての方に100%の生き方を。
代表取締役 浦濱 広太朗





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